IE9ピン留め
Gyration time




悪戯

いたずらっ子の少年は
寂しがりやの少年でした
みんなの気を引きたくて
いたずらを繰り返していました
そうすればするほど
人は少年から離れてゆくというのに

愛情を知らずに育った少年は
愛され方を知らないのでした




羽根

真っ白い羽根が一枚
空からふわりと落ちてきた
見上げた空に鳥の姿はなく
ただ 真っ青な空が広がるばかり
天からの使者の落とし物ではないか
そう夢想しながら 掌に乗せた

風が羽根をさらってゆく
ふわりふわりと舞い遊ぶ
まるで 解き放たれたかのように
まるで 自由を楽しむかのように




空の色

どんより灰色の重い空に
圧し潰されないよう 息を潜めて歩く
昔の空は青かったというのだ
遠い昔に死んでしまったというのだ

誰かあの空を吹き飛ばしてよ
僕に青い空を見せてよ
モノクロームに塗り込められた街に
一筋でもいい 青を差してよ






罪の意識が絶えず私を苛む
時折疼く古い傷痕は未だ消えず
永遠の眠りに就くことも許されぬこの身体で
いつまで生き長らえれば赦されるのだろうか




帽子屋

調子外れな歌を歌いながら
ほうら イカレ帽子屋のお出ましだ
甘い言葉で囁くのは
ティー・パーティーへの誘い文句さ
ほうら 君も行きたくなったろう?
ようこそ、マッド・ティー・パーティーへ!





漆黒

漆黒の瞳に魅入られて
漆黒の髪に絡め取られた
見れば見る程底なしに暗く
広がる闇には抗えない





明けない夜

朝の来ない街に住み
甘い夢を見続ける
せめて夢の中では
自由に躍っていたいから

明けない夜に目覚めて
来るはずのない朝を待ちながら
夢と現実の狭間で
あてもなく彷徨ってる





不眠症

いくら待っても
睡魔の訪れない夜は
薬による仮初めの眠りで
自分を誤魔化す

インソムニアの見る夢は
安らかなる眠りを求め
微睡みの海を泳ぎ
消え入りそうな声で嘆く





依存症

あなたがいなければ わたし
発狂してしまうの
そばにいて離さないで
ずっとあなたを感じていたい




冷たい朝

もう動かない君を抱いて寝た
もう冷えきった君を抱いて寝た
僕が目覚めても
君の目は堅く閉じられたままで
狂ったように笑い続けた

冷たい首筋に口付けを
冷たい朝に鎮魂歌を





血塗れた足

血の海を泳ぐ悪夢
錆びた鉄の匂いが鼻を突く
飛び起きればそこは
血溜まりに佇むベッドの上

血溜まりを歩く少女
ぴちゃり ぴちゃりと
振り向いて嘲笑う
未だ醒めない悪夢に戦慄する





雨音

雨の地を叩く音が
古い記憶を呼び覚ます
目を閉じれば蘇る景色に
思いを馳せながら眠りについた

優しい雨音に抱かれて
遠い日の夢を見る
もう二度と戻れない日々
大切さに気付くのが遅過ぎた


生存報告(…)



# by vr_purewhite | 2005-01-11 00:00
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